COLUMN

別府駅高架下の南側に伸びる市民の暮らしを支え続けるレトロな商店街



べっぷ駅市場
別府駅高架下の南側に伸びる市民の暮らしを支え続けるレトロな商店街

生鮮食品から食べ歩きにぴったりの総菜や菓子、衣料品や薬品まで、さまざまな専門店が軒を連ねる『べっぷ駅市場』。別府市民の生活を支え続ける昔ながらのこの商店街は、別府駅南側の高架下に位置し、電車が通り過ぎるたびに、大きな音が鳴り響くのも味わい深い。かつては別府駅の高架下は南北にかけて店舗が立ち並び、「日本一長い高架下商店街」といわれた。

 この市場の会長を務める高田順裕さんは、ご両親とともに「高田青果」を営んでいる。「僕が子どもの頃は、中心市街地にお店がたくさんあって、町じゅうが遊び場でした。ここは昔ながらの風情を残す、最後の商店街なんです。」市場を大切に思う気持ちから、高田さんは賑わいを生むためのアクションを起こし始めたばかりだという。

 その1つがWebを活用したPRだ。市場のアカウントを作り、毎日Instagramに投稿している。「口コミサイトを検索しても、『べっぷ駅市場』のことが載っていなかったんですよね。あれ、おかしいなと思ってだったら自分で発信しなくちゃと思い、SNSを活用し始めました。今はYoutubeにアップするための動画を制作しています。」

 そのほか、インバウンド需要を見越したマップやWebサイトの制作、日英表記の案内ボードの設置など、できることからコツコツと、しかし確実にニーズやトレンドをおさえた発信を始めている。「手法とかツールとか、選択肢はたくさんあるんですよね。だから、少しずつ手を広げていこうと思っています。」高田さんは、9月にこの市場内で、自身が描きためてきた絵画を発表する展覧会も開催する予定。

 長い歴史の一方で、高齢化や後継者不足などの課題も抱える商店街。「まずは知ってもらうことからですね。とにかくやってみて、『もっとこうしたらよかった』とか「あれが足りなかった』とか、お客様の反応を見ながらブラッシュアップしていきたいと思っています。どんどん充実させていって、ゆくゆくは新しいお店やおもしろい活動を呼び込むことに繋げていきたいです。」

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